日本病院薬剤師会(JHPA)武田氏を再任:病院薬剤師の職能拡大と教育研修の重要性

日本病院薬剤師会(JHPA)は、2024年6月15日に通常総会を開催し、会長として武田泰生氏を再任することを決定しました。武田氏のリーダーシップのもと、病院薬剤師の職能拡大や教育研修の強化に取り組む姿勢が鮮明に示されています。

この記事では、武田会長の再任に伴う新たな取り組みとその意義について詳しく見ていきます。

病院薬剤師の職能拡大への取り組み

武田会長は、病院薬剤師の職能拡大に強い意欲を示しています。特に、2024年度診療報酬改定で新設された「がん薬物療法体制充実加算」に注目が集まっています。この加算は、医師が患者を診察する前に薬剤師が服薬状況や副作用の発現状況を収集・評価し、医師に情報提供や処方提案を行う場合に点数が付与される制度です。

武田会長は、この制度をがん治療に限らず、HIV、救急、精神科などの外来にも適用範囲を広げることで、薬剤師の役割をさらに拡大する意向を示しています。

「医師の診察前に薬剤師が介入することで、服薬状況や効果の確認、副作用の早期発見が可能となります。これにより、薬剤師の職能を広げるタスク・シフト/シェアが実現し、患者にとってのメリットも増大するでしょう」と武田会長は述べています。

研修の充実と知識の向上

医薬品のモダリティが多様化する現代において、病院薬剤師には高度な知識と技術が求められます。

武田会長は、「知識をしっかり身に付け、ハンドリング技術を習得し、患者さんのメリットや医療安全につなげていくことが使命です」と強調し、研修の充実に力を入れる方針を示しました。

これにより、薬剤師の専門性が高まり、より安全で効果的な医療が提供できるようになります。

副会長の新任と再任

総会では、副会長の新任と再任も発表されました。新たに神戸市立医療センター中央市民病院の室井延之氏が副会長に就任し、浜松医科大病院の川上純一氏、大阪大病院の奥田真弘氏、近森病院の筒井由佳氏、東北大病院の眞野成康氏が再任されました。

これにより、病院薬剤師会のリーダーシップチームはさらに強化され、職能拡大と教育研修の推進が一層進むことが期待されます。

まとめ

武田泰生氏の再任を受けて、日本病院薬剤師会は病院薬剤師の職能拡大と教育研修の充実に向けて新たな一歩を踏み出しました。診療報酬改定に伴う新たな制度の活用や、幅広い分野での薬剤師の役割拡大は、患者にとっても大きなメリットをもたらします。

さらに、知識と技術の向上を目指す研修の充実により、薬剤師の専門性が高まり、より安全で質の高い医療が提供されることでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。