静岡市立静岡病院の時短勤務応援チーム:看護師の新しい働き方

育休明けの看護師が主に構成する「一般病棟応援看護師チーム」を、静岡市立静岡病院(葵区)が新設しました。この取り組みは、病棟の業務負担軽減や患者の待ち時間削減に貢献し、多方面から高評価を得ています。今回は、この新しい取り組みがどのように病院全体に良い影響を与えているのかについて詳しく見ていきます。

応援看護師チームの役割と効果

静岡市立静岡病院では、新設された応援看護師チームが、病棟の業務を分担して支援する役割を担っています。このチームは特定の病棟や患者を担当せず、新規入院患者の対応や各部署への応援に“出張”する形で活動します。この柔軟な体制により、育休明けの看護師が無理なく働ける環境を提供し、業務効率を向上させています。

伴野真弓さん(32)は、4月に育休から復帰し、この新部署で働き始めました。彼女は「いろいろな部署に出張するので、担当はないけど成長できる」と語り、新しい働き方に満足しています。育休前は、体調不良でも職場に迷惑をかけまいと無理をして出勤することがあったそうですが、現在はチーム全員が同じ状況にあり、相談しやすい環境が整っています。

フレキシブルな勤務体制と研修サポート

チームのメンバーは現在13人で、20〜30代の育休明けや妊娠中の女性看護師が所属しています。勤務日数や時間は個々の事情に応じて柔軟に調整されており、子どもの事情による急な欠席や早退にも対応できる体制が整っています。新規入院患者の受け入れ対応や病棟のケア応援、検査の介助など、多岐にわたる業務を日ごとに分担しながら対応しています。

さらに、この部署は異動や中途入職でブランクを抱える職員の研修の役割も果たしています。不安を抱える職員がスムーズに現場復帰できるよう、メンバー同士で仕事を教え合いながらサポートしています。

看護師の離職防止と未来への期待

これまでは、子どもの事情による欠席や早退、定時での退勤が難しいために退職する看護師が少なくありませんでした。しかし、青山治子看護部長(60)は「時短勤務の看護師は年代的にも経験豊富で、現場ではリーダーとなれる看護師が多い。気兼ねなく仕事に集中できる体制をつくりたかった」と述べ、チーム創設の意図を明らかにしました。

このチームが次世代の看護師をサポートする姿が見られるようになれば、さらなる効果が期待できます。メンバーが世代交代していく中で、同じような状況の次世代の看護師たちが安心して働ける職場環境を提供できるようになるでしょう。

まとめ

静岡市立静岡病院の「一般病棟応援看護師チーム」は、育休明けの看護師が安心して働ける環境を提供し、病棟の業務負担軽減や患者の待ち時間削減に貢献しています。フレキシブルな勤務体制と研修サポートにより、職場全体の効率と働きやすさが向上しています。この取り組みは、看護師の離職防止と次世代へのサポートという観点からも、非常に重要な一歩と言えるでしょう。