若者を守るために:薬の過剰摂取「オーバードーズ」の危険性と対策

岡山県病院薬剤師会は、薬の過剰摂取「オーバードーズ(OD)」の危険性を訴えるポスターを小児科窓口などに掲示するキャンペーンを開始しました。

この取り組みは、10代の若者が薬物中毒で救急搬送されるケースが増加している現状を受けてのもので、薬剤師会として初の統一行動です。

この記事では、ODの危険性、社会的背景、そして具体的な対策について詳しく見ていきます。

オーバードーズとは?

ODは、通常の用量をはるかに超える量の薬を一気に摂取する行為を指します。「嫌なことを忘れたい」などの現実逃避を目的とすることが多く、意識喪失や臓器障害を引き起こす危険があります。

特に若者の間で風邪薬やせき止めなどの市販薬が過剰摂取されるケースが増えており、医療機関でも複数の事例が報告されています。

啓発ポスターの取り組み

岡山県病院薬剤師会は、各医療機関にODの危険性を広く知らせるためのポスターを掲示し始めました。

このポスターは、錠剤が入った瓶の中に人が倒れ込み、薬剤師が外側からハンマーを持って助けようとしているイラストが描かれており、「あなたと、あなたの大切な人が、飲み込まれないように」というメッセージとともに、肝障害などの健康被害についても解説しています。

岡山赤十字病院薬剤部長の森英樹会長は、「患者の異変にいち早く気付き、相談に乗り、専門機関につなげる役割が薬剤師に求められている。若者をODから救うため、会員同士で知恵を出し合いたい」と述べています。

市販薬の規制とその効果

国は、市販薬の販売規制を強化しようとしています。依存性のある成分を含む市販薬を20歳未満が多量購入することを禁止する、写真付きの身分証で年齢確認を行う、販売記録の保存を義務付けるなどの対策が検討されています。

しかし、森英樹会長は「効果は未知数」と指摘しており、複数店舗での購入情報を共有する仕組みが不可欠だと訴えています。

まとめ

薬の過剰摂取「オーバードーズ」は、特に若者の間で深刻な問題となっています。

岡山県病院薬剤師会の取り組みや国の規制強化は、この問題への対策の一環ですが、さらなる情報共有や啓発活動が必要です。

私たち一人ひとりがODの危険性を理解し、周囲に目を配ることで、命を守ることができるのです。