手足が震える、動きが鈍くなる、歩行が遅くなる、バランスが悪くなるといった症状が表れるパーキンソン病。原因不明の難病だが、服用している薬の副作用でパーキンソン病と同じような症状が表れることがある。パーキンソン病とよく似た神経症状を示す状態を「パーキンソニズム」と言う。
パーキンソン病は、脳内で放出される神経伝達物質のドーパミンが不足することで症状が表れる。一方、薬の副作用でドーパミンの働きが低下し、似たような症状が表れるのが「薬剤性パーキンソニズム」だ。
「精神病や認知症などの治療薬にはパーキンソニズムを引き起こしやすいものがあります。それらの薬を服用して症状が表れると、副作用が疑われます。パーキンソン病が年単位でゆっくり症状が進行するのに対し、薬剤性パーキンソニズムは週・月単位の速いスピードで進んでいきます」と。
【文責】登坂紀一朗(薬剤師)