2022年7月20日 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)はDgSにおけるハラスメント対策として、店頭でのトラブル事例ごとの対応ポイント集の検討に着手する。様々な業界でのアルバイト店員による悪ふざけ(バイトテロ)の頻発に加え、新型コロナ感染拡大時にマスクなどの品薄で顧客から酷い苦情や暴言が寄せられ、スタッフが心身ともに深刻なダメージを受けるなど、店舗でのハラスメントに関わるトラブルが多様化している状況を背景に、加盟社への事例調査を踏まえて具体的な対応指針をまとめる。
加盟社店舗へのアンケートではカスタマーハラスメントなどが深刻化
JACDS防犯・有事委員会の今年度事業として取組まれるもので、事前に行った加盟社店舗へのアンケートでは女性薬剤師などに対する『ストーカーや付きまとい行為』、釣銭・返金での『詐欺行為』、濡れた床での転倒や駐車場内の損傷といった『店舗内外における施設・設備での事故』ほか、商品の取り込みといった『内部や取引先の不正』を確認。加えてやはりコロナ禍以降、カスタマーハラスメントが深刻化していることが確認されたとしている。
対応ポイント集はトラブル事例のカテゴリー別で作成
対応ポイント集は詐欺行為編、ストーカー編などトラブル事例のカテゴリー別で作成し、各現場に共通する必要最低限な対応ポイントを例示する方針で、例えば商品に係る詐欺では落ち着いて対処できるようマニュアル整備・研修実施を奨励し、『顧客の言い分を信じず購入履歴を確認する』といった手順について徹底するほか、手口や特長の情報共有を図ることにより、機転の利いた対応が可能なように備えられるようにする。
業界をあげて万全な対策を
先ごろ都内で講演したJACDS防犯・有事委員会の石田岳彦委員長(ウエルシア薬局取締役副会長)は、コロナ禍初期にDgSスタッフの疲弊が社会問題となったことを振り返りながら、近年ハラスメントやトラブル対応について企業に対策を義務化する法整備がなされる情勢を説明し、「パワハラ・カスハラなどのハラスメントにより、従業員が体調を崩すことは企業にとっても重大な損失」と強調。適切な防止対策を行っていなかった場合に従業員から訴訟を起こされたり、SNS投稿での炎上による風評被害リスクも深刻な昨今の世相を踏まえ、業界をあげて万全な対策を講じる必要性が訴えられた。
(引用:薬局新聞)