2024年2月9日
・厚生労働省の専門家部会が9日、医療機関や薬局で使われる処方箋をデジタル化した「電子処方箋」を運用している病院は全国でわずか30カ所ほどであることが報告された。国は2024年度中に、オンライン資格確認システムを導入した全ての医療機関や薬局での運用を目指しているが、これに達しているのは約6%にすぎない。
・厚労省によれば、全国の医療機関や薬局で電子処方箋を採用しているのは1万3135カ所（4日時点）。その中で病院はわずか32カ所に過ぎない。診療所は医科・歯科で合計952カ所、薬局は1万2151カ所であった。対照的に、利用申請は6万6912カ所あり、手続きは進行中だが運用を始めていない施設が多い。
・「周囲の医療機関・薬局が導入していない」ため、「お見合い状態」（厚労省）に陥り、普及が進まない状況となっている。その他にも、「複数のシステム改修が必要」「患者からの要請がなくニーズを感じない」といった理由も挙げられている。同省は特に公的病院を中心に導入を促進していく方針を示している。
・電子処方箋は、政府が進める「医療DX」の一環として、昨年1月に運用が始まった。電子データで過去の処方薬を確認できるため、飲み合わせの悪い処方や、薬の過剰摂取を防ぐなどの期待が寄せられている。
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