不老長寿創薬研究、国内スタートアップも進出
2024年1月24日
・ 「不老長寿」の研究が国際的に活発化。米国国立老化研究所は年間約6000億円の予算をかけ、薬の実用化を目指す。
・ 不老長寿を追求するスタートアップには「Longevity Fund(長寿ファンド)」もあり、Open AIのCEOであるサム・アルトマンが「ヒトの寿命をあと10年伸ばす」をミッションとするRetro Biosciencesに1億8000万ドルの出資。
・ 不老長寿へのアプローチは多岐にわたり、英「ネイチャー」誌が提示した主な方向は以下の4つ。
- 血液交換:病因物質を取り除き、健康な血液に交換
- 代謝のコントロール:カロリー制限をサプリメントや薬から摂取
- 老化細胞の除去:老化細胞をサプリメントや薬で取り除く
- 細胞のリプログラミング:薬により細胞組織を胎児のような状態に戻す
・ 世界的にはすでに上場を果たした企業もあるが、創薬においてはまだ実用化に至っていない。
・ 日本からも不老長寿の創薬に挑むスタートアップが登場。「ジーンクエスト」創業者の高橋祥子が設立した「TAZ(タズ)」は、「代謝のコントロール」と「老化細胞の除去」をアプローチとしている。
・ タズは、健康な人には代謝をコントロールするサプリメントを販売し、加齢性の疾患にかかった患者には老化細胞を除去する薬を開発することを目指す。
・ 高橋は日本の不老長寿研究の現状について、「老化関連の科学研究費が少ないため進展していないが、医療費の増大を抑えるためにも健康寿命を伸ばす科学的手法を探りたい」と語る。
・ タズは米国で開催される「米国の高齢者の認知や筋肉などを10年若返らせたら賞金1億ドル」というXプライズ財団のコンテストに参加を表明。1億ドル獲得で治験進行に有利になる見通し。
・ 高橋は不老長寿薬の可能性について、「不死の生物はいないが、老化しない生物も存在し、人間でも元気なまま生涯を過ごせる可能性がある」と述べた。
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