タカラバイオは18日、人工遺伝子で患者の免疫細胞の攻撃力を高める「CAR―T細胞」を利用したがん治療薬で、再発防止と固形がんへの適用拡大について、三重大と共同研究を始めたと発表した。
CAR―T細胞療法は、一部の血液がんで高い治療効果があり、米国と欧州、日本で製造販売が承認されている。 共同研究では、同治療法の課題である治療効果の持続性向上と、固形がんへの応用に焦点を当てる。がん抗原を認識する抗体と、がんへの攻撃に関与するシグナル伝達機能を持つタンパク質の遺伝子構造を改変した独自のCAR―T細胞で、細胞や動物レベルで効果を検証する。大腸がんや肺がん、食道がんなどに発現する抗原(CEA)の認識や、同細胞の寿命延長や攻撃性持続にかかわるタンパク質の効果を確認する。
【文責】登坂紀一朗(薬剤師)