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2024/01/15 月曜日 | プロジェクト

製薬業界がICF(治験同意説明文書)の共通化に向けて動く

製薬業界がICF(治験同意説明文書)の共通化に向けて動く

2024年1月15日

・ 製薬業界では、治験依頼者が現在個別に作成しているICF(治験同意説明文書)を統一化する動きが広がっている。日本製薬工業協会(製薬協)の医薬品評価委員会臨床評価部会が昨年、タスクフォースを組織し、テンプレートの共通化に取り組み、今年3月にリリースする予定。

・ ICFは、臨床試験への参加を検討する患者に対し、内容や目的、リスクなどを説明し同意を得るための文書。製薬企業はこれを疾患領域や品目ごとに作成し、治験実施医療機関に提示うする。ただし、修正が必要な場合は医療機関と企業の間でやり取りが煩雑であり、これが業界全体にとっての負担となっている。

・ 国内で行われる臨床試験の約6割がグローバル試験となる中、テンプレートの共通化は症例登録の遅れの要因となっており、業界全体がその必要性を認識していた。しかし、共通化しても使用の可否は各企業の判断に委ねられ、企業版とのダブルスタンダードの懸念もあり、着手が遅れていた。

・ ここにきて、製薬企業の研究開発部門長らで構成される「R&D HEAD CLUB」が一歩踏み出した。2021年から実態調査を行い、22年にはタスクチームを結成し、10月には初版の共通テンプレートを発行した。

・ 製薬協もこの動きに同調し、R&D HEAD CLUBの取り組みを通じて業界全体を巻き込む方針となった。製薬協が作成中の共通テンプレートは「治験の要約」「治験に関する一般的な説明」「この治験に関する説明」「追加および詳細情報」の4部構成で、R&D HEAD CLUBの初版を基本に修正を行い、患者会や弁護士、医療機関などからの意見を取り入れ、3月に最終決定する予定。

 

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