京都大病院とシミックHD、服薬管理システムの実証実験開始

・京都大病院と医薬品開発支援企業シミックホールディングス、及びその子会社harmoは、患者がスマートフォンアプリを用いて服薬歴を管理し、医療機関に正確に情報を伝えるシステムの実証実験を開始した。

・このシステムは、患者が自身のパーソナル・ヘルス・レコード（PHR）を管理し、医療従事者と共有することで薬剤安全を向上させることを目的としている。

・京都大病院の松村由美教授によると、医療に起因する予期せぬ死亡事例は国内で毎日発生しており、その中で薬剤関連が10％、誤投与が2.4％を占めている。患者自身が服薬前に薬を確認することが重要であり、電子版お薬手帳の活用が推奨されている。

・現在、電子版お薬手帳は全薬局の約3分の1で導入されているが、医療機関ではまだ少ない。この実証実験では、患者がスマートフォンから病院システムに模擬データを送信し、電子カルテに転記することで、医療従事者の作業量や心理的負担を軽減する効果を検証する。

・実証実験の結果が有用であれば、システムの実際の導入を検討する。この取り組みは、将来的に個別化医療への一歩となる可能性がある。