政府の2020年度予算編成の方向性を示す概算要求基準では、高齢化の進行に連動した社会保障費の伸び(自然増)を5300億円程度と見積もったほか、成長戦略などの重点政策を優遇する「特別枠」を例年通り設け、合計4兆4千億円超の上積み要求を各省庁に認める。
これらと別枠で10月の消費税増税に伴う景気対策費を19年度に続いて加算し、金額や内容は編成過程で検討するとした。
基準は来週の経済財政諮問会議で議論した上で、閣議了解する。歳出全体の上限は7年連続で明示しておらず、8月末に各省庁が出す要求総額は6年続けて100兆円を超える見通し。
査定を通じて要求をどこまで絞り込めるかが焦点。
医療費を押し上げる75歳以上の人の増加ペースが一時的に緩むため、社会保障費の自然増は、要求段階で6千億円以上だった近年より少ない。
財務省は5300億円を加えた33兆円程度の要求は受け入れるが、制度改革を厚生労働省と協議して伸びを抑える方針だ。
【文責】登坂紀一朗(薬剤師)