消費者庁が作成し、全国で約18万部を配布した乳幼児対象の冊子「事故防止ハンドブック」で、乳幼児が誤飲した異物を取り除く際に行う三つの方法として掲載した一つに医療関係者から疑問の声が上がり、削除していた。
削除されたのは、幼児に相当する「少し大きい子」向けの「背部叩打法変法」。大人が膝を立て、太ももに子どものみぞおちをあてながら、子供の背中を叩く。
一方で、日本医師会や日本赤十字社などが統一的な方法としてまとめた「救急蘇生法の指針」では〈1〉片腕の上に乳児をうつぶせにして背中をたたく「背部叩打法」〈2〉背後から幼児の腰に手を回し、へそ付近にあてた握り拳を動かして圧迫する「腹部突き上げ法」――などを推奨。小児科医で日本医師会の石川広己常任理事は「冊子に記載の方法は、ほかの方法と比べ子どもの肋骨ろっこつが、折れやすいという危険性がある」と指摘する。
以下の改訂版(p15)を参照されたい。
【文責】登坂紀一朗(薬剤師)