2024年1月29日
・ イオンは29日、ドラッグストア大手ツルハホールディングス(HD、札幌市)の株式取得に向け、香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」と独占的に交渉を始めることを発表した。イオンは既にツルハ株の13.6%を所有しており、オアシスの保有分と合わせると約26%に達し、ドラッグストア業界に再編の機運をもたらす可能性がある。
・ イオンは交渉の理由として、「オアシスが保有するツルハ株を取得することが、ツルハとの関係の維持・強化につながる」と説明した。オアシスが保有する約13%のツルハ株に関しては、取得数、価格、時期などの条件について今後協議する予定だ。
・ イオンは既に業界1位のウエルシアHD(東京都)の株式を50%以上所有しており、連結子会社にしている。また、2位のツルハとは1995年に資本業務提携を結び、商品開発などで連携を続けてきた。イオンのツルハ株保有分が20%以上になれば、持ち分法の適用対象となる。ウエルシアHDと合わせた売上高は単純合算で2兆円を超える。
・ ドラッグストア業界は国内市場が飽和状態となり、新規出店が見込めない中で再編の機運が高まっている。2021年にはマツモトキヨシHD(千葉県)とココカラファイン(横浜市)が経営統合し、大手同士の合従連衡も進んでいる。
・ ツルハとオアシスに関しては、昨年、オアシスの株主提案が否決された経緯がある。イオンがツルハ側の人事案を支持した一方で、「再編の重要性は認識している」とも表明し、オアシス側の競争力強化を理解していた。
・ イオンは業界8位のクスリのアオキHD(石川県)の株式も約10%保有しており、オアシスとの交渉が業界再編にどのような影響を与えるかが注目される。
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