・塩野義製薬が発表した令和6年4~6月期の決算は、売上高が前年同期比10.7%減の975億円、純利益が28%減の306億円となった。前年同期にはADHD治療薬の権利移管に伴う一時金250億円があったため、減少が目立った。
・一方で、抗HIV薬のロイヤルティー収入や抗菌薬セフィデロコルの海外売上が業績を押し上げ、また新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」の国内シェアも増加した。
・ゾコーバは、他の新型コロナ飲み薬であるMSDの「ラゲブリオ」やファイザーの「パキロビッド」とともに販売されているが、公費支援終了後の4月以降にシェアが拡大。3月6日時点で46.3%だったシェアが、7月17日時点で67.6%に増加した。
・しかし、4~6月期は新型コロナやインフルエンザ治療薬の売上が44.9%減少し、39億円となった。上期予想の327億円には達しておらず、今後ゾコーバの売上がカギとなる。
・同社は、ゾコーバによる重症化リスクの37%減少を示す調査結果を発表し、さらなる利用拡大を期待している。担当者は「シェア拡大と新型コロナの流行を考慮し、上期予想達成は可能」と述べた。