「腸内細菌叢移植」の新治療法

・腸内細菌叢を利用した新しい医療技術が注目されており、健康な人の便から腸内細菌叢を移植することで特定の疾患を治療する方法が開発されている。
・この治療法を普及させるために、腸内細菌叢バンク「J-Kinsoバンク」が設立され、ドナーの募集が始まっている。
・腸内細菌叢のバランスが乱れると様々な疾患に影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになり、特に潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患において重要な要因とされている。
・腸内細菌叢移植（FMT）は、健康な人の便を特別な溶液と混ぜて製剤化し、患者の腸内に注入する治療法である。
・米国とオーストラリアでは、便由来製剤が医薬品として承認され、標準治療として使用されている。
・順天堂大学の石川大准教授は、日本でも有効な治療法としてFMTを普及させるために努力しており、J-Kinsoバンクの設立により治療の基盤を築いている。
・FMTは、炎症性腸疾患だけでなく、がん治療など他の疾患にも応用可能であり、今後1000人のドナー登録を目指している。