2024年2月23日
・「正露丸」は胃腸薬として有名だが、その中でも糖分でコーティングされた「糖衣錠」が店頭から消えている。原料の変更や設備の不具合で生産が減った大幸薬品(大阪市)と、薬品瓶の納期が遅れたキョクトウ(富山市牛島新町)が主な原因だ。両社は供給の安定化に向けて対策を講じている。
・「正露丸」の主成分は「木クレオソート」という樹木から作られる物質だ。匂いが強いため、糖衣錠は表面に糖分を塗って飲みやすくしている。国内の市場では大幸薬品とキョクトウがシェアを占める。
・キョクトウは、品質試験で不適合が発覚し、2022年に「正露丸」を回収した。生産を止めたことで「正露丸糖衣」の注文が増えたが、薬品瓶の入荷が滞り、出荷が不安定になった。
・大幸薬品も原料の変更や設備のトラブルで「セイロガン糖衣A」の生産が落ちた。23年度の販売はコロナ前の19年度よりも約3割減った。業界の2大手が減産したことで、正露丸糖衣の供給が不足した。
・正露丸糖衣の供給を安定させるため、両社は生産を増やす。大幸薬品は吹田工場(大阪)の稼働時間を延ばし、京都工場(京都)での包装も始める。24年度はコロナ前の水準を目指す。キョクトウは薬品瓶の入荷が回復したことで、富山市牛島本町の工場での生産を拡大する。50錠入り製品の生産は月8万個から10万個に増やす予定だ。
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