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2024/02/10 土曜日 | プロジェクト,災害

能登半島地震の被災地、医薬品供給車両「動く薬局」が支援活動

2024年2月9日

・能登半島地震の被災地では、「動く薬局」として知られる災害時対応医薬品供給車両「モバイルファーマシー(MP)」が活躍している。この車両は、宮城県薬剤師会が東日本大震災を受けて開発し、全国で採用が進んでいる。富山県内の薬局を営む武田雄高(ゆたか)さん(48)も、同会理事としてMPを活用し、医師らと協力して被災地支援に従事した。

・MPは、災害救助法の適用地域の救護所などで発行される災害処方箋に基づき医薬品を提供する。車両はキャンピングカーを改修し、薬の分包機や薬品棚などを搭載。被災地で寝泊まりできるようベッドやトイレなども備え、調剤した薬の情報を管理するコンピューターも搭載している。医療チームとの連携もあり、無線LANやメールで処方情報を受け取ることができる。

・武田さんは、日本薬剤師会の要請に基づき、宮城県薬剤師会の高橋文章常任理事と共に富山県の輪島市や能登町での支援活動に参加。地域の情報収集と医療基盤の整備を行った。輪島市では、自衛隊車両で訪問診療する災害派遣医療チーム(DMAT)から災害処方箋を受信して調剤し、医薬品を届ける仕組みを構築した。能登町では、岩手県のDMATの巡回診療に同行し、高齢者などの被災者に必要な薬を提供した。

・MPは、東日本大震災で沿岸部の薬局が被災し、患者に薬が届けられなかった経験を受け、宮城県薬剤師会が2012年に初めて導入。全国で約20台が配備され、16年の熊本地震や18年の西日本豪雨でも活躍。被災地には宮城県を含む各地の薬剤師会が10台以上を派遣している。

・武田さんは、「震災時の思いが形になり、感慨深かった。地元の薬局が復旧するまでの間、被災者や医療者に安心感を与えられる存在になればいい」と述べた。

 

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