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2018/11/26 月曜日 | 臨床・試験

がんゲノム外来、遺伝子変異調べ

福井大病院は、がんの原因となる遺伝子変異を調べ、最適な治療法を探る「がんゲノム外来」を今月から開設した。抗がん剤など標準的な治療を終えた患者らに、京都大病院などと連携してがんゲノム医療を施す。病院は「治療法がなくなった患者に情報を与えて、闘うすべを与えるのは大事な使命」としている。

福井大病院は今春、国のがんゲノム医療の連携病院に県内で唯一指定。中核拠点病院に選ばれている京都、名古屋両大学病院と連携し、遺伝子情報をやりとりするため、セキュリティー強化などの準備をしてきた。

がんゲノム外来で対象となるのは、院内外で従来の標準治療を終えたり、他に治療方法がなかったりする16歳以上の患者。病院側は患者の同意を得たうえで、がん組織を外部の検査会社で解析する。結果を踏まえ、京都大病院などとテレビ会議を使い治療法を協議する。

がんの原因となる遺伝子変異は多彩で、同じ臓器のがんでも患者ごとに異なる。抗がん剤といった従来の治療は正常な細胞に悪影響を与え、副作用が重くなることもある。

ゲノム医療の場合は、患者ごとの遺伝子変異を把握するため、あらかじめ効きやすい薬を見つけて投与することができ、高い効果が得られるという。

【文責】登坂紀一朗(薬剤師)

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