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2019/02/02 土曜日 | 臨床・試験

春季カタルと免疫抑制薬の点眼剤

春季カタルは、I型アレルギー反応の結果として生じるアレルギー性結膜疾患の一つであり、日本眼科学会の『アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン』では「結膜に増殖性変化が見られるアレルギー性結膜疾患」と定義されている。

ここでいう「結膜の増殖性変化」とは、眼瞼結膜の乳頭増殖・増大あるいは輪部結膜の腫脹や堤防状隆起のことであり、学童期から思春期の男子に多く、春から夏にかけて症状が悪化し、冬には軽くなることを繰り返し、アトピー性皮膚炎を伴う例も。

春季カタルの主な原因抗原としては、ハウスダストやダニなどが多く、主な自覚症状は、眼のかゆみ、眼痛、眼脂、充血などである。

治療は、抗アレルギー薬(点眼剤)が第一選択薬であり、重症度によってNSAIDs点眼剤やステロイド点眼剤が使用される。さらに重症例では、シクロスポリンなどの免疫抑制薬を含有する点眼剤が追加投与されるほか、経口ステロイド薬の投与や眼瞼膜下注射や、速効性を期待して乳頭切除術等の外科的治療が行われる場合もある。

【文責】登坂紀一朗(薬剤師)

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