歯の再生薬、9月から治験開始

・歯は骨と似た成分でできており、体内で最も硬い物質だが、自己再生能力がない。
・日本の研究チームが歯を再生させる新薬を開発中で、9月からヒトを対象とした治験を開始予定。
・一般的な成人には206本の骨があり、骨はカルシウム、ミネラル、コラーゲンから成る。
・骨は自己再生能力が高いが、歯にはその能力が欠けている。
・医学研究所北野病院の高橋克医師は、歯の喪失や欠損に悩む人々を救いたいと語る。
・新薬の開発は、USAG-1という抗体に関する長期研究の成果。
・USAG-1はフェレットやマウスの歯の成長を阻害することが証明されている。
・2021年、京都大学の科学者たちはUSAG-1とBMPの相互作用を阻害するモノクローナル抗体を発見。
・高橋医師はこの研究論文の執筆に携わり、USAG-1の抑制が歯の成長に良い影響を与えることを確認。
・9月からの治験には、歯を少なくとも1本失った30～64歳の男性30名が参加。
・治験では薬を静脈内に投与し、その効果と安全性を証明する予定。
・動物実験では副作用が見られていない。
・順調に進めば、北野病院は歯が4本以上欠損した2～7歳の小児患者に同治療を実施予定。
・最終目標は2030年までに「歯生え薬」を開発すること。
・現在の対象者は先天性無歯症の患者のみだが、将来的には歯を失った全ての人が対象になることを期待。