2024年6月5日
・FDAの諮問委員会は、合成麻薬MDMAをPTSD治療に使用することに対し、勧告を行わないと決定した。
・PTSDは、極端な体験後に発症する精神障害で、アメリカ人の約5%が毎年新たに罹患している。
・現在のPTSD治療は、2種類の抗うつ薬に限定されており、治療には3ヶ月間の服用が必要で、効果には個人差がある。
・ライコス・セラピューティクスは、MDMAをPTSD治療に用いることの承認を求め、約100人を対象にした2件の臨床試験を実施。これらは心理療法とMDMAの併用によるものだった。
・ネイチャー・メディシンに掲載された研究論文では、MDMAがPTSD治療に有効であると報告されている。
・しかし、FDAの専門家11人中9人がMDMAの有効性を裏付けるデータが不足しているとし、10人がリスクが利益を上回ると評価。
・国立PTSDセンターのポール・ホルツハイマー氏は、試験結果には前向きながらも、認可にはまだ早いとの見解を示している。
・FDAの諮問委の勧告は強制力はないものの、FDAがこれに従うことが一般的である。ライコスは、FDAの最終判断が8月中旬に出されると予測している。