難病「筋ジストロフィー」治療薬、既存の抗生物質が有効と研究
2024年1月13日
・ 筋ジストロフィー治療薬に、感染症に効く既存の抗生物質が有効かもしれないと、山口大などの研究グループが発表。治験の結果をまとめた論文は昨年12月に英国の医学系学術誌に掲載された。
・ 研究グループは、「筋強直性ジストロフィー」と呼ばれる筋ジストロフィーの一種に焦点を当て、30人の患者に半年間にわたり抗生物質「エリスロマイシン」を投与。データ的には、重篤な副作用を引き起こさずに症状を改善する可能性が示された。
・ 新薬開発には通常、10年以上の時間と数百億円の費用がかかるが、研究グループは患者への早期提供とコスト抑制を重視し、安全性が確認されている既存薬を転用する「ドラッグリポジショニング」を選択。
・ 筋強直性ジストロフィーは、筋肉の再生に関連する遺伝情報「メッセンジャーRNA(mRNA)」が変異し、たんぱく質が正常に生成されないことが原因。現在、根本的な治療法が確立されておらず、研究グループは今後、最終段階の治験を実施して効果を詳細に調査する方針。
・ 研究を主導した山口大大学院医学系研究科の中森雅之教授(臨床神経学)は、「世界初の治療薬として患者の期待も大きい。国の薬事承認を含め、最短で2~3年で患者に届けたい」と意気込みを語った。
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