鍵は医師と薬剤師の連携
高齢者は認知症でなくても複数の疾患を抱えていることが多く、ポリファーマシーの1つとして認知障害が起こるという問題もある。いずれにしろ併存疾患および服薬管理が重要であり、そのためには医師と薬剤師の連携が欠かせない。東京大学病院老年病科教授の秋下雅弘氏は、第10回日本脳血管・認知症学会でポリファーマシーの原因を概説するとともに、医師と薬剤師のさらなる連携を呼びかけた。
薬剤の成分や相互作用などによって、ふらつきや転倒、記憶障害、抑うつなどの症状が現れるケースがあるが、これらは高齢者にはよく見られる症状であるため、薬剤が原因と気付きにくい。さらに、主となる薬剤の副作用への対処療法として追加処方された薬剤が、「潜在的に不要な薬剤(PIM)」となっている場合もある。
【文責】登坂紀一朗(薬剤師)