・乾癬は皮膚に炎症を引き起こす慢性の自己免疫疾患で、人口の約1~3%が罹患しています。乾癬性関節 炎は乾癬に関節炎を伴う病態で、乾癬患者の約10~30%に発症します。
・デンマークの調査で、乾癬と乾癬性関節炎の患者は一般集団より疲労感が強く、特に乾癬性関節炎の患者で顕著です。乾癬性関節炎の患者は、乾癬のみの患者よりも全般的疲労感、身体的疲労感、活動性の低下が際立っています。
・疲労感の程度は乾癬の重症度よりも、関節痛やかゆみの強さと関連しています。皮膚症状だけでなく関節痛やかゆみに的を絞ったアプローチが重要です。
・疲労感は患者の生活の質(QOL)を大きく損ね、仕事のパフォーマンスや家事の効率が低下し、趣味や社会活動も制限されます。疲労感は治療アドヒアランスにも影響を及ぼします。
・疲労感は主観的な症状であり、医療現場で適切に評価されにくいです。MFI-20のような多面的疲労感尺度を用いて、疲労感の特徴をきめ細かく把握することが重要です。