2022年8月17日 逮捕(窃盗)
埼玉県川口市の高齢者向けのサービス付き集合住宅で入居者から現金を盗んだとして、武南署が運営会社の元職員の男を窃盗容疑で逮捕していたことが16日、捜査関係者への取材でわかった。逮捕は15日付。男は内部調査に複数の入居者から現金を盗んだことを認めており、県警は被害が多額になるとみて調べている。
朝日新聞デジタル
(記事元:有元愛美子、野口駿、仁村秀一、森下友貴)
容疑者
無職 中村淳容疑者(46)=埼玉県川口市芝下3丁目
入居者の就寝中に
逮捕されたのは無職中村淳容疑者(46)=同市芝下3丁目=で、施設の職員だった6月8日午前10時半ごろ、入居者の男性(89)の部屋から現金約19万円を盗んだ疑いがある。部屋は無施錠で、男性は就寝中だった。中村容疑者は黙秘しているという。
防犯カメラの映像から発覚
発覚は6月末。男性の家族が「現金を盗まれているかも知れない」と署に相談した。署は共用部の防犯カメラの映像を分析するなどして、7月26日、男性の部屋に6月下旬にマスターキーで侵入し、現金約11万円を盗んだとして中村容疑者を逮捕した。その後の捜査で今回の被害が判明した。
複数の入居者への盗みも
住宅の運営会社によると、中村容疑者は2017年10月の採用で、入居者の介護を担当していた。内部調査に複数の入居者への盗みの事実を認めたため、7月6日付で懲戒解雇した。運営会社は被害者に、補償を検討しているという。一方、再発防止策では、共用部の防犯カメラの映像の点検を強化した。マスターキーは事務所の鍵付き棚に保管し、持ち出しには複数職員の立ち会いを義務付けてきたが、事務所の防犯カメラを増やしたという。
自由度が高い暮らしを提供するサ高住だが
事件は需要が高まっているサービス付き高齢者向け住宅で起きた。様々なサービスを受けられるが、介護施設や老人ホームとは違い、あくまで賃貸住宅の扱い。一般社団法人・高齢者住宅協会(東京都)によると、「自由な生活」ができる一方で、窃盗については「対策や注意点を一概に挙げるのが難しい」という。
施設によるが、身の回りのことを全てできる人も多く利用しており、現金の管理についても、他人に任せない▽運営側に金融機関まで同行を頼む▽親族が小遣いを運営側に預ける――などニーズは様々。運営側の対策は容易でないという。
被害の抑止や早期発見には家族の積極的なサポートが不可欠だ。今回も、最初に疑問を持ったのは家族だった。協会は「身近な人が入居者について関心を持つことが大切」としている。
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