東京商工リサーチ、訪問介護事業者の急増する倒産
2023年12月21日
・ 東京商工リサーチの最新調査によると、訪問介護の事業者の倒産が急増しており、今年の倒産件数は12月15日時点で60件に達し、既に年間最多を更新した。
・ ホームヘルパー不足や人材獲得競争の激化が大きな要因で、物価高騰などがコスト増に拍車をかけ、体制が構築できない事業者が優勝劣敗の構図で追い込まれている。ヘルパーの高齢化や若返りの成功が影響しているとされる。
・ 来年度の介護報酬改定では、処遇改善や基本報酬の引き上げが期待されるが、ヘルパー不足の解消には時間がかかりそう。事業者の倒産や撤退が続く可能性があり、地域のサービス提供体制が脆弱化する懸念がある。
・ 日本ホームヘルパー協会東京都支部の黒澤加代子会長は、現状で利用者へのサービス提供が難しくなっており、「基本報酬の引き上げ、処遇改善、土日祝日の手当などが不可欠。訪問介護事業所とヘルパーを大切にする必要がある。変革しないと将来の介護ニーズに対応できない」と訴えている。
・ 東京商工リサーチによると、今年の倒産事業者の95.0%が資本金1千万円未満で、83.3%が職員10人未満の小規模・零細事業者。原因は80.0%が「販売不振」で、利用者数や訪問回数の減少が主なトリガーとされている。業歴10年以上の事業者が51.7%を占め、ヘルパーの高齢化が影響している可能性が指摘されている。
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