介護事業者の団体(*)を招いてヒアリングを実施。現場の問題意識や要望を聴取した。
* 全国老人福祉施設協議会、日本在宅介護協会、高齢者住まい事業者団体連合会が参加した。
この中で、特別養護老人ホームの経営者らで組織する全国老人福祉施設協議会は、管理者の複数事業所の兼務を今より柔軟に認める方向で人員配置基準を弾力化すべきと提言。「管理者が兼務することで経営の合理化が推進され、全体を総合的に管理することができる」と主張した。
規制改革推進会議の関係者は会合後、「厚生労働省は総じて前向きに検討していく姿勢をみせた」と説明。今後も具体化を働きかけていく意向を示した。次の2024年度の介護報酬改定をめぐる論点の1つになる見通し。
現行の人員配置基準をみると、多くのサービスで管理者は「専らその職務に従事する常勤の者」などと定められている。また事業所の管理に支障がないことを前提として、同一敷地内の事業所、または隣接する事業所の管理者を兼務できるとの規定もある。こうしたルールの解釈が自治体ごとに異なり、地域によって運用に差があるとの指摘も多い。
全国老施協は会合で“現場の声”として、「管理者に求められる機能は、運営管理なのか経営管理なのかによって異なる。小規模事業所の管理者が担っているのは、そのほとんどが運営管理。経営的視点を持ち合わせている人材は少なく、人事・会計・契約などは本部が行っている場合が多い」と報告。「管理者が兼務することで事業所の方針などが統一され、サービス間連携がしやすくなる。運営管理者もサービスに専念でき、サービスの質の向上が期待できる」とプレゼンした。
あわせて、「慢性的な人材不足で経営を任せられる人材も少なく、事業所の推進・拡大も容易ではない」などと理解を求めた。
会合ではこのほか、管理者の兼務を可能とすべく現行の人員配置基準の解釈を明確化したり、ローカルルールをなくしたりするよう要請する声もあがった。
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