元副理事長が主導、福祉法人で9700万円超の不正経理発覚
2025年4月10日(木)
・東京都府中市の社会福祉法人「清陽会」で、報酬の架空請求や資金の私的流用などによる不正経理が約9700万円に上ることが調査で明らかになった。
・不正の中心とされるのは、市職員OBの元副理事長で、法人内で長期間にわたり不適切な会計処理が繰り返されていた。
・報告書では、2012年に元副理事長と元理事長が共謀し、元評議員の親族名義を使って障害福祉サービス報酬を不正請求し、約3700万円を得ていたことが指摘された。
・また、架空の業務委託費支出や、利用者が製造したパンの売上を元副理事長の個人口座に振り込むなどの手口も確認された。
・不正経理は10年以上にわたり継続されており、総額は約9687万円に達している。
・この法人では、知的障害者への虐待も約10年にわたって行われていたとされ、2023年に府中市が特別監査を実施し、是正を求めていた。
・法人側はすでに元副理事長に対して私的流用分の返還を求める訴訟を起こしており、今後さらに損害賠償請求を進める意向を示している。
・警察にも相談していることが明かされ、刑事責任の追及も視野に入れているとみられる。
・再発防止策として、法人は理事や職員を対象にしたコンプライアンス研修を導入し、外部委員や利用者家族を交えた協議の場を設けるとしている。
