介護事業者経営、特別養護老人ホームなどが初の赤字に
2023年11月10日
・ 厚生労働省が行った調査によれば、介護事業者の経営状況が厳しく、昨年度には特別養護老人ホームなどで介護サービスを提供する事業者の利益率が、統計開始以降初めて赤字となった。主な原因は光熱費の高騰によるコストの増加など。
・ 全国の約1万6000の事業者からの回答を元にした調査では、昨年度のすべての介護サービスの平均利益率は2.4％の黒字で、前回3年前と同じ数字だった。しかし、施設で介護サービスを提供する事業者の中で、特別養護老人ホームがマイナス1％、介護老人保健施設がマイナス1.1％、地域密着型の特別養護老人ホームもマイナス1.1％と、いずれも前回調査から2から3ポイント余り下がり、初の赤字となった。
・ 厚生労働省は、「光熱費や水道代の高騰でコストがかさんだ影響で、介護施設の経営が厳しくなっている」と分析しており、介護報酬の改定に向けた議論が進められている。同省は今回の調査結果を踏まえ、介護事業者に支払われる来年度以降の介護報酬を決定する方針であり、人材流出への対策として、来年2月から介護職員への月額6000円程度の賃上げを行うことを発表している。
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