厚労省が熱中症対策を罰則付きで義務化へ、事業者に求める具体策

・厚生労働省は労働政策審議会の分科会で、熱中症対策を事業者に罰則付きで義務化する方針案を提示した。労働安全衛生法に基づく省令改正を進め、6月の施行を目指す。

・義務化の対象となるのは「暑さ指数28以上」または「気温31度以上」の環境下で1時間以上、もしくは1日4時間以上作業する場合と想定されている。

・事業者は、熱中症の自覚症状や疑いがある労働者に対応する体制を整備し、迅速な判断ができる緊急連絡網や作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送手順をあらかじめ策定する必要がある。これらの内容を労働者に周知することも求められる。

・厚労省の分析では、職場における熱中症による死亡者数は2022年、2023年ともに30人以上に上った。初期症状の見逃しや対応の遅れが主な原因とされ、地球温暖化の進行を背景に対策の強化が急務と判断された。