・訪問看護の診療報酬を不正に請求していた問題で、パーキンソン病専門の有料老人ホームを運営するサンウェルズが、総額約28億4,700万円に上る不正請求を行っていたことが明らかになった。
・特別調査委員会の報告書によると、訪問時間を実際より長く記録するなど、虚偽の内容で診療報酬を請求していたとされる。
・同社は14都道府県で「PDハウス」を約40カ所展開。不正請求だけでなく、必要のない訪問を行う過剰請求も広範囲で実施されていたと報告された。
・経営陣が直接指示した証拠は確認されていないが、内部通報が複数回あったにもかかわらず、実態把握に向けた対応は取られていなかった。
・不正請求の手法には、短時間の確認だけで長時間の訪問を装った記録や、実際には一人で訪問したにもかかわらず、複数人で訪問したと虚偽申請し加算報酬を請求するケースが含まれていた。
・過剰請求の背景には、高額な売り上げ目標が設定され、一定以上の症状がある入居者に対して毎日3回複数人で訪問することが標準とされていたことがある。
・ホスピス型住宅は高齢者介護の新たな選択肢として急速に広がっているが、同様の手法を取る事業者も存在すると指摘されており、業界全体への影響が懸念される。
・この問題は昨年9月に報道され、当初サンウェルズは「不正は一切ない」と全面否定。しかし、その後調査委員会を設置し、今回の報告書が発表された。
・同社は「再発防止策や関係者の処分を改めて公表する」としているが、行政の監督体制や業界の在り方にも議論が求められる状況だ。