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2022/08/03 水曜日 | 介護殺人

介護殺人・岐阜地裁:高山市の介護施設2人死傷事件 懲役12年の判決 直接証拠なき事件「犯行可能だったのは被告人のみ」

2022年3月8日 岐阜地裁(懲役12年)

2017年、岐阜県高山市の介護施設で入所者5人が相次いで死傷し、そのうち2人に対する傷害致死などの罪に問われていた元職員の男に8日、懲役12年の判決が言い渡された。この事件では、犯行の目撃者や防犯カメラなどの直接証拠がなく、「被告が犯人かどうか」が最大の争点となっていた。

【この記事には続報があります】
・岐阜県高山市の介護施設2人死傷事件(1審は懲役12年) 名古屋高裁が即日結審

被告 小鳥剛被告36歳 介護老人保健施設「それいゆ(高山市)」元職員

介護老人保健施設それいゆ(高山市)

4年前の7月から8月までの半月ほどの間に5人が死傷
2017年8月、入所していた中江幸子さん(当時87)の首を絞めるなどして死亡させたほか、別の女性入所者(当時91)の胸を圧迫するなどしてケガをさせた傷害の罪に問われていた。
なお、事件があった「それいゆ」では、4年前の7月から8月までの半月ほどの間に5人が死傷。

一貫して自身の関与を否定も、事件発覚から1年半後逮捕
小鳥被告はこの5人すべての介助に関わっていたが、問題が発覚した直後、マスコミの取材に対し、
小鳥被告:
「5人全員の介護に関わっているという話でしたけれども、その日の食事を介助しただけで。転ぶもんは転ぶしケガする時はケガするし、いくら気を付けとっても正直100%事故を防げないというのは事実ですよね」
「100%やっていないですからね、こんなことは。こんな自分が分かる状態でやるって単なるアホじゃないかと」

さらにこの1年半後、逮捕の1週間前の取材に対しても、
小鳥被告:
「(Q.思い当たる節も全くない?)ないですね。逆に今更になって思い当たることなんて、その時になかったら今もないと思います」
一貫して自身の関与を否定していましたが、事件発覚から1年半後、逮捕された。

「被告人しかいない」 岐阜地裁判決(2022年3月8日)
岐阜地裁は傷害致死と傷害、いずれも小鳥被告の犯行と認定し、求刑通り懲役12年の実刑判決を言い渡した。
直接証拠がない中で小鳥被告の犯行と認めた理由について、裁判長は「2つの事件について、いずれも犯行の機会があり、現実的に可能だったと考えられる人物は被告人しかいない」と、犯人の可能性がある人物を、犯行時間帯に勤務していた小鳥被告を含む4人の職員に限定したうえで、小鳥被告以外の3人については当時の勤務状況などから犯人ではないと認定。犯人は小鳥被告であると結論付けた。

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