2023年4月5日 (倒産 破産手続開始決定)
東京都新宿区西新宿に本拠を置く再生医療製品開発の「テラファーマ株式会社」は、4月5日付で東京地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産したことが明らかに。
2014年に設立の同社は、元・東証スタンダード上場のバイオベンチャー「テラ株式会社」の子会社で、「テラ」とともに樹状細胞ワクチン療法に関する再生医療製品の開発などを手掛けていた。
しかし、親会社の「テラ」が2022年8月5日付で破産手続の開始決定を受け倒産すると、資金の後ろ盾を失い資金繰りが悪化したため、主要事業を他社に譲渡する一方、親会社に連鎖するかたちで今回の措置に至った模様。
なお、同じく「テラ」の子会社で、遺伝子検査サービスを手掛けていた「株式会社オールジーン」にも同様の措置が取られ、2社合計の負債総額は約20億円の見通し。
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2022年8月9日 (火)配信 (破産申請)
東京商工リサーチ
テラ(株)(新宿区西新宿6、設立2004(平成16)年6月、木内清人社長)は8月5日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。申請代理人は鈴木郁子弁護士(本間合同法律事務所)。破産管財人には安達桂一弁護士(岩崎・安達・岡本法律事務所)が選任された。
負債総額は1億8765万円。
上場企業の倒産は(株)Nuts(港区、ジャスダック(当時))以来、23カ月ぶり。
医療機関向けに樹状細胞ワクチン研究開発などを手掛けていた。大学病院などと共同研究を行い、培養施設の導入支援や治療実施までの運用支援による収入を得ていた。2009年3月、ジャスダックNEO(当時)に上場し、2015年12月期(連結)には売上高19億943万円をあげていた。しかし、研究開発費などが嵩み、赤字が続いたほか、2019年7月には有価証券報告書等の重要な事項の不記載に関して、証券取引等監視委員会による課徴金納付の勧告を受けるなど信用が失墜。事業規模を大幅に縮小し、2019年12月期(連結)の売上高は2億218万円まで落ち込み、10億2656万円の最終赤字を計上していた。
継続企業の前提に関する注記が続くなど、信用回復が遅れる一方で、「新型コロナウイルス」の重症患者の治療状況などについてメキシコのイダルゴ州で行った会見が話題となり、2020年6月には株価が2000円を超え、急騰した。
運転資金や研究開発費を調達するため、2020年10月には第三者割当増資を発表。しかし、払い込み期日の変更など資金調達が思うように進まず、同年12月15日の調達日に払い込み予定金額の約25億円のうち、約100万円のみ着金するなどトラブルとなり、経営が混乱していた。
こうしたなか、2021年3月に証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反の疑いで強制調査を受けた。同年9月には、「2020年4月から1年間に適時開示した60件のうち、4割にあたる24件で一部、または全部が事実と異なっている、またはそのおそれがある」と発表し、信用がさらに失墜していた。
第三者割当増資や金融機関からの資金調達を目指したが、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。
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