野党3党が介護職の処遇改善法案を共同提出　与党過半数割れを追い風

・立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の3党が30日、介護や障害福祉分野で働く人々の待遇を改善するための法案を衆議院に共同で提出した。与党の過半数割れを利用し、2025年度予算案の審議を通じて成立を目指す構え。

・この法案は、介護や障害福祉分野で働く従業員の賃金を月1万円引き上げることを目指している。賃金の改善を進める事業者には助成金を支給する仕組みを都道府県知事に義務付ける内容。財源は国が負担し、年間約4230億円を見込んでいる。

・立憲民主党の井坂信彦衆院厚生労働委員会筆頭理事は「与党が反対しても野党の結束で過半数を取り、衆院通過を目指す」とコメント。維新の池下卓副幹事長は「与党でも野党でもない立場を貫いてきたが、必要な政策は他党と協力して進める」と述べた。国民民主党の浅野哲理事も「少数与党の状況を踏まえ、国民のために協力していく」と語った。

・立憲と国民民主は29日にも訪問介護事業者を支援する法案を共同提出している。さらに昨年12月には3党で災害被災者の生活再建支援金の拡充や学校給食無償化に関する法案も提出しており、こうした共同提案の流れを継続する意向。

・立憲幹部は「野党が一致団結して法案を提出することで、与党に揺さぶりをかけ、予算修正や議員立法の成立を実現したい」と意気込みを見せている。