老人ホーム業界に潜む高額紹介料の現実
2024年12月月13日
難病患者を紹介すると150万円の報酬が発生する事例があることが明らかになった。難病患者は医療と介護で高い報酬が得られるため、取り合いの状況が生じている。一部の会社が過剰な訪問看護・介護で稼ぎ、相場をつり上げたと指摘されている。ある看護師は「人身売買のようだ」と批判している。
複数の地域で老人ホームを運営する会社の社長は、大阪の状況を「異常だ」と述べた。大阪府内のホームの入居者について、紹介会社から100万~150万円の料金が提案された。紹介会社が示した文書には、厚生労働省が定めた疾患や症状の一覧表が含まれている。
訪問看護の頻度は原則週3回だが、特定の患者の場合は毎日3回まで診療報酬を請求できる。介護保険サービスをフルに利用すれば、入居者1人当たり月100万円以上がホーム運営会社に入る。紹介会社は「150万円以上のケースはごくわずか」とし、「紹介料はホーム側の判断で設定されている」と回答した。
東京は入居ニーズがホームの供給を上回っているが、大阪は供給過多であると説明された。有料老人ホーム「PDハウス」で働く看護師は、入居者の取り合いが起きていると述べた。「スーパー・コート」でも不正や過剰な訪問看護が行われているとの証言がある。
過剰な訪問看護と高額な紹介料は老人ホーム業界の問題とされている。紹介会社の届け出公表制度を運営する団体も、紹介料の高騰を問題視している。介護業界からは、国に対し紹介事業のガイドラインを作るべきだとの声が上がっている。