島津製作所、健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」を発売
2024年10月月24日
島津製作所は2024年10月9日、介護事業者や自治体向けの健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」を国内で発売した。このクラウド型サービスは、介護施設利用者や地域住民の健康管理を支援し、認知症やフレイルなどのリスク低減を目的としている。
「SUPOFULL」は、日常の生活習慣や運動の記録、健診結果などのデータを集約・見える化することで、利用者の健康促進をサポートする。日本の平均寿命は84.2歳だが、自立した生活を維持できる健康寿命とは約10年の差がある。認知症や転倒・骨折が要介護状態を引き起こす主な原因となるが、その予防には日々の生活習慣や運動が重要とされている。しかし、日常的な健康管理は個人の意識に依存する部分が大きく、複数の健康データを活用した個別対応には課題があった。
この課題を解決するために開発された「SUPOFULL」は、導入施設で体成分分析装置「InBody」やエア・ウォーター・バイオデザイン社の「AGEsセンサ」で計測したデータ、健診結果や生活習慣アンケートを取りまとめ、運動や食事、睡眠のアドバイスを含むレポートを作成する。レポートは管理者や家族にも共有されるため、個別の健康状態に基づいたサポートが可能だ。
島津製作所は、実証実験として山口県のデイサービス施設「ひとつの会 たまのや」や越前市との連携で効果を確認している。施設利用者の健康改善意識の向上やコミュニケーションの活性化などの成果が報告されている。
今後、同社はPETや骨密度測定、脳機能イメージングなどの自社技術を「SUPOFULL」に集約し、さらに充実した健康管理を提供する予定だ。島津製作所は、健康寿命の延伸に向けた取り組みを強化し、メドテック事業を通じて病気の早期発見や予防に寄与していく考えだ。
