2024年2月6日
・ 認知症の症状を理解するため、VR（仮想現実）の機器を使用した研修が、徳島県阿南市役所で行われた。この研修は、認知症になっても安心して生活できる社会を目指す朝日新聞社の「認知症フレンドリープロジェクト」によって開催され、プロジェクト担当者が講師を務めた。
・ 研修は1月25日に実施され、地域の高齢者らを支援する約30人の認知症サポーターが参加した。講師である朝日新聞メディア事業本部の坂田一裕プロデューサーは、30代後半で認知症と診断された男性が周囲の理解により自立して仕事を続けている事例を紹介し、「認知症の人の視点に立ち、本人が感じる不安を理解して支援に役立てることが大切」と呼びかけた。
・ 続いて参加者は、双眼鏡のような形のVR機器を通して、認知症の人の視覚を模した日常生活の再現映像を視聴した。空間認識能力の低下により距離感がつかみにくくなったり、階段を下りづらくなったりする様子を体験した。
・ 市内の参加者である大久保キヨ子さん（78）は、「認知症を病気としてだけでなく、その人の心のあり方をちゃんと見なければいけないと分かった。本人の思いを引き出せるように活動していきたい」と話した。
・ 朝日新聞社は、徳島県や医療機関、自治会などの依頼を受け、2020年から県内各地で「認知症フレンドリーフレンドリー講座」を開催しており、阿南市での開催は15回目となった。
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