福島県、2022年度の養介護施設従事者による高齢者虐待が増加傾向

2024年1月25日

・ 2022年度に県内で確認された養介護施設従事者による高齢者虐待件数は9件（前年度比1件増）、相談・通報件数は32件（同10件増）で、いずれも2年連続で増加し、過去最多となった。県は、虐待の早期発見や未然防止を図るため、施設職員への研修を継続する方針だ。

・福島市で開催された県権利擁護推進会議で県が示した情報によると、厚生労働省の市町村対象調査に基づき、県内の虐待状況をまとめたもの。虐待の増加について、県は新型コロナウイルスの対応などで職員の負担が増えてストレスを抱えていることなどが要因としている。

・虐待の内訳では「心理的虐待」が最も多く、「身体的虐待」「介護等放棄」「性的虐待」と続いた。発生要因は「教育・知識・介護技術等に関する問題」「チームケア体制が不十分」が最も多く、「防止の取り組みが不十分」などもあった。相談・通報者は施設職員が多数を占めた。

・なお、22年10月に小野町の特別養護老人ホームで入所者が死亡した事件は、23年度に職員による虐待が認定されたため、今回の報告には含まれていない。

・家族や親族による高齢者虐待件数は240件（前年度比62件減）、相談・通報件数は555件（同30件増）だった。

・同様に、22年度に確認された県内の障害者福祉施設従事者による障害者虐待も報告された。虐待件数は10件（前年度比4件増）で、心理的虐待や身体的虐待が目立った。県は2月に施設向け研修を行い、虐待防止に向けた意識向上を図る。

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