介護業界の様々な情報をまとめたデータベース

2024/01/16 火曜日 | 労務問題

2024年度改定:ケアマネの処遇改善に不透明感

2024年度改定:ケアマネの処遇改善に不透明感

2024年1月15日

・ 15日の基準の諮問・答申に続き、2024年度改定に関する具体的な要件・単価が近く示される見通しだ。しかし、居宅のケアマネにとって気がかりなのは、「ケアマネの処遇改善」に向けた具体的な方策がまだ示されていないことだ。

・ 2023年度の補正予算では、介護職員向けの処遇改善策として2~5月分の補助金が設けられた。また、介護報酬上では各種処遇改善加算が一本化され、新たな配分・ベースアップルールが統一される予定だ。しかし、これらの改革は居宅介護支援を対象外としている。自治体ごとに独自の処遇改善策があるものの、全国的に居宅ケアマネに対する具体的な処遇改善策が示されていない。

・ 居宅ケアマネージャーが注視するのは、既存報酬の中で処遇改善につながる単価の引き上げがどれほど行われるかだ。具体的には、(1)居宅介護支援の基本報酬(介護予防支援の報酬も含む)と、(2)特定事業所加算に焦点が当てられる。

・ 特に(2)については、介護給付費分科会の審議報告でも要件変更に伴う「評価の充実」が示唆されており、単位引き上げが期待されている。

・ しかし、もし(1)と(2)の引き上げが十分でない場合、居宅のケアマネにとっては大きな課題となる。物価の上昇や他産業の賃金水準の向上により、ケアマネの給与格差が広がる中で、人材流出のリスクが高まる。

・ 最新の調査では、居宅介護支援の事業所数が大幅に減少しており、地域から居宅介護支援が消える可能性が浮上している。この状況下で処遇改善が不透明であれば、居宅ケアマネージャーの「取り残され感」が一段と強まる。

・ 一方で、逓減制の緩和が唯一の処遇改善策として浮上している。逓減制の取扱い上限や介護予防支援の取扱い件数の算出法が緩和されることで、ケアマネージャーは利用者との契約件数を増やしやすくなり、その効果やケアマネージャーの業務効率化には疑問符がついている。

 

介護データベース
介護業界の様々な情報をまとめたデータベース
医療アラウンド
医療業界の様々な情報をまとめたデータベース
お薬タイムズ
お薬の様々な情報をまとめたデータベース

PAGE TOP