2022年10月31日 (月)配信共同通信社
総合経済対策では、国内観光の活性化を図るとして「引き続き全国旅行支援等の需要喚起策の着実な実施」との文言が盛り込まれた。観光庁は当面12月下旬までとしている全国旅行支援の延長や、補助を縮小した別の仕組みによる支援継続を検討。新型コロナウイルスの感染状況、旅行需要の推移を見極め判断する構えだ。
現行の旅行支援を巡っては、都道府県から割り当てられた予算枠を使い切り、予約を停止する事業者が一部で出ている。政府は「予算は十分確保した」(斉藤鉄夫国土交通相)との立場で、補正予算案への追加経費計上は見送られる公算が大きい。
支援を12月下旬で打ち切れば、駆け込み需要や反動減が懸念され、与党内には「延長は当然」との声が根強い。1人1泊当たり最大1万1千円とする現行の補助内容を縮小して引き際を探る案などが浮上。政府関係者は「冬は感染再拡大の恐れもあり、ぎりぎりまで決められない」と話す。
予算は「Go To トラベル」の一部である約5600億円と「県民割」用の約3300億円の残額を活用している。12月下旬以降も支援継続となれば、トラベル事業の別の残り約2700億円を充てる方向だ。
予算枠消化については各事業者への配分金に偏りがあるのも一因とみており、観光庁は都道府県に適正配分の徹底を引き続き呼びかける。