2022年6月27日 (逮捕・保護責任者遺棄)
「オーバードーズ」と呼ばれる市販薬の大量摂取で意識を失った添島亜祐美さん(38)を放置したとして、警視庁池袋署は27日、川崎市麻生区上麻生、医師斎藤浩一容疑者(48)ら男3人を保護責任者遺棄容疑で逮捕したと発表した。添島さんはその後、死亡した。若者らを中心に問題化しているオーバードーズは危険性が高く、警視庁などが注意を呼びかけている。
容疑者 ( 保護責任者遺棄の疑い)
斎藤浩一容疑者(48) 医師
木村玲雄容疑者(24) 無職
水谷聡 容疑者(33) 無職
市販のせき止め薬を大量に服用
警視庁発表によると、齋藤浩一容疑者ら3人は2021年6月11日朝、東京都豊島区のホテル一室で、職業不詳の添島亜祐美 さん(当時38歳)が市販のせき止め薬を大量に服用して 昏睡(こんすい) 状態になったのに、救急搬送などの措置を取らず放置した疑い。
「寝ているだけかと思った」
逮捕はいずれも2022年6月25日。調べに斎藤容疑者は「寝ているだけと思った」と容疑を否認し、他の2人は認めている。
出会いはSNSで
斉藤容疑者ら3人と添島さんとは2018年、Twitterで知り合い、その後、添島さんがLINEグループを作成。
約30人のメンバーがいるというこのLINEグループを通じて、去年6月、添島さんらは豊島区内のホテルに集まり、精神的な苦痛を和らげたり、高揚感を得る目的で、各自が持参した市販薬を大量に摂取していた。
せき止め薬を一度に40~100錠以上摂取
添島さん(38)は、せき止め薬を少なくとも一度に40錠以上摂取し、さらに酒も飲み、翌朝、こん睡状態になったが、 斎藤容疑者らはホテルから立ち去り、2021年6月11日夜に119番したが、添島さんは搬送先の病院で死亡が確認された。死因はせき止め薬の成分による中毒死。
ストレス解消のため
薬を過剰摂取する、いわゆる“オーバードーズ”。医師の斎藤容疑者は、「ストレス解消のために、大量に薬と酒を飲むようになった」と話している。
若者に広がる「オーバードーズ」
簡単に手にできる市販薬の「オーバードーズ」は今、若者の間で急速に広がっている。
薬物の使用経験がある人を対象にした調査(全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査)では10代の場合、市販薬の占める割合が
▼2016年 25% ▼2018年 41.2% ▼2020年 56.4% と4年間で2倍以上になっている。
(図出典:東京新聞)