【痛い在宅医】
映画「痛くない死に方」の原作本といえる書籍。
在宅医療、在宅死の素晴らしさを語ってこられた長尾和宏 先生の信者が、在宅での看取りを後悔したことについて、長尾先生と語り合うという、異色の内容。
長尾先生とは全く関係のない、別の在宅医の対応について、その医師不在で意見交換をし続けるという、かなりリスクを背負って書かれています。
在宅医系の書籍は、いわゆる「キラキラ系」が多いのですが、その裏側にある様々な現実や葛藤がわかる良書とも悪書とも言える書籍です。
「キラキラ系」とは、精一杯関わった結果、良い思い出が残ったケースに対し、さらに場面を切り取って表現したものと考えます。
家族としての関わり方や覚悟、在宅医として、訪問看護としての関わり方や覚悟、そして様々な現実、感覚の相違などなど、ケーススタディをするには最適な1冊と思われます。
本人が望む理想、家族が望む理想、在宅医が思う理想の違いについても、ぜひ、考えてみましょう!
・長尾和宏 氏
・ブックマン社