自動運転の電動車いす、病院で試験導入 患者の８割超が高評価
2023年12月2日
・ 熊本市南区の熊本中央病院が自動運転機能を備えた電動車いすを採用した。足腰が不自由な患者のためのサービスで、病院スタッフの負担も軽減し、九州地域では初の導入となる。那須二郎院長は「負担軽減分を医療ケアの向上につなげたい」と期待を寄せた。
・ タッチパネルで行き先を選択すると、車いすはゆっくりと動き出した。病院で導入されてから試験運転が行われ、外来受付から2階への移動が試された。速度は時速2キロ程度で、4つのセンサーが通行人を感知し、自動で減速した。ぶつかりそうになると一時停止し、「道をお譲りください」と音声が流れた。
・ 目的地に到着すると、自動で出発地点まで戻る。介護経験がある71歳の女性は70メートルの試験走行を体験し、「病院で迷うこともあり不便を感じていた。とても助かる」と笑顔で述べた。
・ この製品は東京の電動車いすメーカーである「WHILL（ウィル）」が開発したもので、2020年に羽田空港で初めて実用化され、成田や関西国際空港でも利用されている。医療機関への導入は全国で3例目であり、年齢制限はなく、運転免許がなくても利用可能である。
・ 実証実験では、62人の試乗者のうち53人が最高評価の5点を与え、「信頼できる作り」「身体が不安定な人にとって良い」との声があった。
・ 病院では2台を導入し、エスカレーター前と外来受付前に1台ずつ配置した。今後、運用実績を評価しながら、追加導入やエリアの拡大、入院患者向けのエレベーター移動にも対応するサービスの提供を検討する予定である。
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