医師の労働時間強化、勤務医の「働き方改革」が今年4月に開始
2024年1月8日
・ 勤務医の時間外・休日における労働時間の強化を図る「働き方改革」が、今年4月から施行される。これに伴い、勤務医の約2割以上が年間960時間以上の休日・時間外労働を行い、過労死ラインを超えている実態が明らかになっている。
・ 勤務医の休日・時間外労働の上限は原則、年間960時間(救急医療などは1860時間)に規制され、平均して1か月に80時間までとなり、勤務と勤務の間にはインターバル=休息時間の確保が求められる。
・ 北九州市八幡東区の「八幡病院」は、救急医療にも対応する医療機関であり、時間外勤務が主要な課題となっている。同病院の平松俊紀部長は、「時間外でも働いたほうがいいのかなと思う気持ちが出てしまいますので…」と述べ、勤務医の意識の変化を示唆している。
・ 勤務医の過労死ラインを超える実態を踏まえ、今年4月から始まる働き方改革が救急医療に与える影響に対しては懸念の声も上がっている。八幡病院の伊藤重彦名誉院長は、「病院が365日同じように人員を配置するのが難しい現状を考えますと、少しこちらの病院が手薄だとしても別の病院で何とかなるよ、という仕組みを作ることが大切ではないでしょうか」と指摘している。
・ 一方で、働き方改革には様々なアプローチが見られる。八幡病院では、医師の時間外勤務が原則960時間を超えないよう、医師が行っていた仕事を看護師や事務員が協力して行ったり、近隣の病院と連携して救急受け入れ態勢の情報を共有したりして対策を進めている。
・ また、在宅診療も含めた医療のデジタル化が進む中、医師不足への対策として、患者からの連絡に即座に対応する「はやぶさ在宅クリニック」や、医師の代行を行うサービスが登場している。これらの取り組みが医師の負担軽減に寄与することが期待されている。
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