2024年2月6日
・ 神戸市西区の精神科病院「関西青少年サナトリューム」に入院中だった岡田幸子さん(当時47歳)が肺塞栓症で亡くなり、遺族が違法な身体拘束が原因として、病院側に約9200万円の損害賠償を求める裁判を神戸地裁に起こす。
・ 岡田さんは統合失調症のため、同病院への入院・通院歴があり、2021年3月29日に受診し入院。入院初日から興奮や多動の症状が見られ、隔離されたが、病院内のカメラ映像には興奮状態ではない様子が記録されていた。
・ しかし、病院医師は4月2日に身体拘束を開始し、その後7日間にわたって続けた。結果として岡田さんは肺塞栓症で急変し、別の病院に搬送されて亡くなった。身体拘束は精神保健福祉法に基づくもので、代替方法が見いだされるまでの間のやむを得ない措置とされているが、遺族は合法性がなかったと主張している。
・ 遺族側は「生命保護の必要や重大な身体損傷の恐れが認められるような状況になかった。たとえ、開始時点で違法性がなかったとしても7日間も継続する必要はなかった」と主張し、また、岡田さんの糖尿病を患っていたことから、「肺塞栓症のリスクが高いのに予防のための措置や観察、検査を怠った」としている。
・ 岡田さんの妹は「姉は7日間も拘束されつらい思いをしながら亡くなった。身体拘束の違法性を問いたい」と述べているが、病院側は「取材に応じられない」としている。
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