堺市中区の生活保護受給者死亡事件、ガバナンス不備と指摘
2023年12月27日
・ 昨年11月に堺市中区で生活保護を受給中の男性（当時63）が暴行され死亡した事件について、堺市の検証委員会が26日、報告書を公表し、「市行政のガバナンス（統治）が杜撰（ずさん）」などと指摘した。
・ 事件では、楠本大樹被告（33）が男性に暴行を加えて死亡させ、楠本被告による生活保護費の不正支給の疑いで中区役所職員4人も書類送検されました。検証委員会は職員の対応などを調査している。
・ 報告書によれば、男性と楠本被告が知り合ったのは昨年10月で、区役所での男性の面談で楠本被告が拳で殴り、それに対して職員が警察に通報せず、上司にも報告しなかったとされている。
・ 職員は楠本被告の恐怖心から「言いなり」になり、その後も男性に対する暴行があったとの指摘が報告書にある。
・ 生活保護費の管理に関しては、楠本被告が男性に「金を貸している」として管理し、区役所がこれを黙認したことで、被告側に男性の生活保護費の大半が渡る結果となった。
・ 報告書は区役所の対応を「『我流』、場当たり的、個人任せの非組織的対応」とし、本庁の存在感の不足も指摘した。
・ 永藤英機市長は報告を受け、「今回のような事案が発生したことを重く受け止めている。提言を踏まえ、市民の信頼回復に努める」とのコメントを発表した。
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