医療現場での無資格X線操作が発覚、2病院が事実を認める
- 2025.04.23(水)
・複数の病院で、医療機器メーカーの社員が無資格のままX線装置を操作していた問題が発覚した。
・朝日新聞の取材に対し、関西医科大学総合医療センターと横浜新緑総合病院が、同社員によるX線照射が実際に行われていたことを認めた。
・照射に関する医師の指示については、関西医科大の医師は「指示していない」と明言し、横浜新緑の医師は「約1年前のことで記憶がない」と話している。
・X線装置の無資格操作は診療放射線技師法に違反し、医師法にも抵触する可能性があると厚生労働省は指摘している。
・両病院は、健康被害は今のところ確認されていないとしたうえで、保健所への報告と患者への謝罪を行う方針を示した。
・問題となっているのは「ニューベイシブジャパン」(東京都中央区)の営業担当者。会社側も該当の4人が操作を行ったことを認めている。
・この営業担当者らは全国5つの病院でX線機器を扱っていた疑いがあり、他の病院に対しても朝日新聞が確認を行った。
・和歌山県立医科大学付属病院は社員の手術室入室は認めたが、詳細は調査中としている。兵庫医科大学病院も調査中で、必要があれば当局の要請に応じると回答した。
・別の大阪府内の病院では、関係医師からは無資格操作の報告はないとしつつ、無記名のアンケートで実態調査を実施中とした。
・医療機器メーカーの営業担当が手術室に入るのは自社製品の対応に限られており、他社製品の操作は原則として認められていない。
・同社は現在、外部弁護士による事実確認を進めており、問題の全容解明が急がれている。