兵庫県、医師の働き方改革を推進
- 2024.10.30(水)
- 兵庫県は5月14日、医師の働き方改革に関する新たな方針を発表しました。この方針には、時間内の病状説明や勤怠管理システムの拡充が含まれています。県内の複数の県立病院で労働基準監督署から是正勧告を受けたことを受け、2023年10月にプロジェクトチームが設置され、検討が進められてきました。
斎藤知事は記者会見で、県立病院の医師の働き方改革を進めることが重要であり、患者や県民の理解と協力が必要だと強調しました。時間内の病状説明は2025年1月に「宣言」を行い、徹底する方針です。
新たな取り組み方針は、タスク・シフト/シェアの推進、負担軽減・業務の効率化、労務管理の適正化、勤務環境の改善、意識改革・風土改革の5つの項目から成ります。具体的には、医師事務作業補助者や病棟薬剤師、看護補助者などの人材確保、電子カルテの音声入力システムの導入、患者や家族への病状説明の時間内実施の強化が含まれます。
また、勤怠管理システムを拡充し、医師が健康や職場環境について相談できる窓口を設けることや、育児中の医師の短時間勤務制度の拡充、大学医局との連携による医師確保も目指します。働き方改革についての周知も図られます。
2022年度の実績では、時間外労働が年960時間を超えた医師は77人で、年1860時間を超えた医師はいませんでした。2023年11月から12月にかけて行われたアンケートでは、時間外労働の縮減策として「病状説明の勤務時間内実施と患者・家族への周知徹底」が必要と回答した医師が多かったです。
斎藤知事は、医療DXの推進と時間外労働を発生させる要因の解決が重要だと述べ、県としても予算措置を行う考えを示しました。