鹿児島県内の医療機関で「選定療養費」の拡大、新たな徴収開始も
2024年1月12日
・ 鹿児島県内の一定規模以上の医療機関で、患者が紹介状を持たずに受診する際の「選定療養費」の負担が拡大している。一部の病院では新たに徴収を始めるところもあり、地域の拠点となる一部の病院が対象となっている。これは国の制度見直しに基づくもので、医療機関同士の役割分担と効率化を目指している。
・ 薩摩川内市の済生会川内病院では、初診時の支払いが現在、内科と外科のみで紹介状がない場合に1100円を求めているが、2024年2月1日からは小児泌尿器科など全科が原則として7700円が必要となる。これに伴い、病院は患者への周知を強化するために様々な手段を検討している。
・ 国は2022年10月から、200床以上の一部病院に対して初診7000円以上、再診3000円以上の特別徴収を義務付けた。再診は患者が逆紹介を受けても元の病院を選んだ場合に支払いが生じる仕組みとなっている。
・ 鹿児島県内の200床以上の病院では、これまで5000円を下限に徴収されてきたが、制度見直しに伴い7000円以上に引き上げられた。済生会川内病院を含む4施設は、地域の合意を経て2023年8月以降に新たに対象となり、順次徴収が始まる。
・ 南九州病院も2024年1月1日から金額を変更し、地区内の医療機関に案内するなどして周知に努めている。医師会はこの新制度を患者の利益につながるものと受け止めつつ、患者の近寄りがたさに対する懸念も示している。
・ 鹿児島県医師会の牧角寛郎副会長は、患者にはかかりつけ医に相談するよう呼びかけつつ、地域医療の提供体制を維持するためには理解が不可欠と述べている。選定療養費は医療費の一部負担金とは別に、紹介状のない患者や時間外の軽症患者に追加の負担を求める国の制度で、2022年10月以降は200床以上の一部病院を対象に引き上げが行われている。
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