2024年2月29日
・こども医療センターで小児患者が死んだ医療事故について、外部の専門家らが調べた報告書が29日に出た。病院の安全管理に問題があったとして、病院や運営する神奈川県立病院機構に改善を求めた。
・報告書は、小児患者の遺族にも送られた。調査は、医師や看護師、弁護士、患者団体の代表など6人が行った。小児患者の遺族や5病院の職員に話を聞いたり、こども医療センターの患者や家族、辞めた職員にアンケートをしたりした。
・小児患者が死んだ事故では、「手術後の小児患者の状態が悪くなったり、悪くなる前兆があったりしたときに、チームで早く対応できなかった。診断や対応が遅れたのはよくなかった」と言った。
・こども医療センターの安全管理については、「患者の安全を一番に考えるという考え方が、病院の全員に伝わっていなかった。リーダーシップや管理システムがなかったと言える」と言った。さらに、「医師が事故を防ぐことについて、理解も関心もなく、何もしなかったのは深刻だ」と言った。
・一方、病院機構については、「患者の安全は各病院が自分でやること」と思っていたとして、指導が足りなかったと言った。
・調査の結果をもとに、調査委員会は病院機構に対して、外部の専門家らで作る「県立病院機構医療安全監査委員会」を作ることなど、42の提案をした。病院機構の遠藤本部事務局長は「厳しい意見をもらい、重く受け止める」と言い、提案を実行するためのチームを作り、計画を立てると言った。
・外部の調査委員会がやった「こども医療センター」の辞めた職員のアンケートの結果からは、職場で医療事故が心配だったことがわかった。2022年に辞めた職員104人のうち33人(31%)が答えた。
・質問の中で「自分の部署で大きなミスがなかったのは、たまたまだと思っていた」と答えるかどうかを聞いた。「そう思う」8人、「とてもそう思う」4人で計12人(答えた人の36%)がそう答えた。
・自由に答えるところには、仕事や職場の環境についての内容も書かれた。報告書では「仕事の手順はあるけど、あまり役に立っていない。看護師は自分のやり方で看護をしていて、統一されていない」や「人の悪口を言ったり、わざと聞こえるように言ったりして、精神的に追い込まれることがよくあった。働くのがつらかった」などが紹介された。
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